紅の悲劇(太田忠司)
2002年12月15日本格推理小説と銘打つものの、太田さんの小説は、他の推理作家の小説と多少異なる。推理小説は、人が殺されて、探偵が謎を解くのが一般的なパターンで、重視されるのは、人の死ではなく、不可解な謎である。けれど太田さんは、たとえ小説の中でも、人の命を軽く扱うべきではないと考えている。
本作の主人公、霞田志郎は、事件をただの推理の対象として客観的に扱うことをせず、真正面から受け止めてしまう。結果として、事件の背後にある人間の悪意や憎悪、狂気に身も心もさらしてしまい、彼自身の神経を著しく疲弊させてしまう。
そのような探偵、霞田志郎が活躍するシリーズの第2期作品である。
「わからないよ。人間の心の奥底なんて、他人はもちろん自分にもわからないと思う」
本作の主人公、霞田志郎は、事件をただの推理の対象として客観的に扱うことをせず、真正面から受け止めてしまう。結果として、事件の背後にある人間の悪意や憎悪、狂気に身も心もさらしてしまい、彼自身の神経を著しく疲弊させてしまう。
そのような探偵、霞田志郎が活躍するシリーズの第2期作品である。
「わからないよ。人間の心の奥底なんて、他人はもちろん自分にもわからないと思う」
コメント