講談社漫画賞賞受賞、ギャンブル漫画の金字塔。の冠に恥じない作品である。特筆すべきは、本作で扱われるギャンブルが全て作者のオリジナルであるということだ。

『限定ジャンケン』(1巻〜5巻)

参加者はグー、チョキ、パーの図案が印刷されたカードを各4枚の計12枚渡される。そのカードを使い、限られた数しか出せないジャンケン勝負をしていく。そして、心理戦や論理、推理小説のように先の見えない展開。ジャンケンを、遥かに面白いギャンブルに仕立てあげている。

「この勝負、運否天賦じゃない。おそらくは愚図が堕ちていく。勝つのは、知略走り、他人出し抜ける者……!」(第1巻第4話)

『鉄骨渡り人間競馬』(5巻〜6巻)

Brave men road(勇者たちの道)と名づけられた高さ約10メートル、全長25メートル、幅わずか15センチの鉄骨を渡るギャンブル。一等賞金2千万、二等賞金1千万、落下するか、手をついたら失格となる。4本の鉄骨に12人、一本につき3人が割り当てられる。自分の前を行く者を押す、落とす。そうすることによって、初めて道は開かれる……。

「押さなきゃ、押されるとしても……。押さないっ……! 俺は押さないっ……!」(第6巻第66話)

『電流鉄骨渡り』(6巻〜8巻)

地上74メートル、全長25メートル、落下=即死。手をつけられないよう、電流が流れる。魔天の地獄、鉄骨渡り。

「希望は、夢は、人間とは別の何か……他のところにあるような気がしてたけど……。そうじゃない……人間が希望そのもの……!」(第8巻第87話)

『Eカード』(第8巻〜第12巻)

皇帝は市民より強く、市民は奴隷より強い。そして、奴隷は皇帝を撃つ。皇帝側と奴隷側に別れ、カードを交互に出し合う。皇帝側は、市民にまぎれて皇帝を通せば勝ち、奴隷側は、いつ皇帝を出してくるかを読み、迎え撃てば勝ちとなる。最も単純な形での心理戦。

本来、大金を賭けて戦うEカード。無一文のカイジが賭けたのは、耳。敗れて失うは……聴力!

「これが……オレと仲間の、ギリギリ…最後の声…。死の淵での……最後の意地だ……!」(第11巻第122話)

『ティッシュ箱クジ引き』(第12巻〜第13巻)

ティッシュ箱に仕込まれたクジを交互に引き、当たりクジを引いた方の勝ち、というカイジ考案のギャンブル。カイジにとって安全なギャンブルと思われたが、会長の提案により、賭け金は1億に……。

「この金……! オレの人生を……完全に塗り替えられる。この金を……目の前にして……降りられるか……!
GOだっ……! オレは指を賭ける……!」(第13巻第148話)

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